みちくさ

ここ数日は、日差しは強いものの、ふわーと心地よい風が吹いていて、
家では窓を開け放して扇風機だけで過ごすことのできる日も…。
そんな日は、風につられて気持ちまでもがふわーっと大きく広く開放的になるもので、
作業していてもとても気持ちがいいです。
夏真っ盛り!ですが、
秋冬ものの布やアンティークレースをせっせと仕入れたり、
あれこれと組み合わせてはイメージを膨らませたり、
新しく型を起こしたり…。
9月ごろにはshopに並べられたら…と思い、
少しずつですが秋冬ものの制作を進めています。
そんななか…
今日は、はぎれや、これまで手元にありながらもなかなか機会がなくって
形にすることのできないでいた布たちとともに
少しみちくさ…♪
秋冬もののことから少し離れて、
私用に、夏らしいコースターと少し大きめのきんちゃく袋を制作。
ほんのちょっぴり「夏休み」の気分も味わって、
小さな、でもとっても楽しい夏のみちくさ…でした。
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あおい実

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いただいたブルーベリー。
これまでに食べたことのあるブルーベリーよりはるかに大きくって、
一瞬ブルーベリーって皮をむいて食べるんだっけ…?
と思ってしまったほど…!
皮ごとそのままぱくり。
口の中でちいさくはじけて、
種のつぶつぶした感触とみずみずしい香り。
果物をそのまままるごと食べる、ということのしあわせ…♪

懐かしい味

昨晩、久しぶりにハムかつを食べた。
ハムを揚げただけのとてもシンプルなものなのに、
どうしてこんなにおいしいんだろう…と思った。
幼い頃、父は時々近所の肉屋さんのハムかつを買ってきてくれた。
「父が買ってきてくれる」というのは日常的なことではなく、
「時々」のことであるという特別感も手伝って、
夕飯のおかずの一つとしてそのハムかつが並んだときは、とても嬉しいものだった。
                  *
幼い頃見ていたアニメに「ポリアンナ」というのがある。
その話の流れや、どういう話だったのかは詳しくは覚えていないのだけれど、
ポリアンナという主人公の少女の笑顔とともに、
とても印象深く残っているエピソードが二つある。
一つ目は「いいことさがし」。
このような言葉が出てきていたということは、おそらくポリアンナを取り巻く状況は、
いわゆる「幸福」なものではなかったのだろうと想像されるが、
「何かいいことというのは必ずある。毎日一つでいいから、いいことを探しなさい。」
という父の言葉から、ポリアンナが「いいことさがし」をする、というものだ。
そしてもう一つが、「ハム」にまつわるエピソード。
ポリアンナには、週に一度だけハムエッグを食べられる日というのがあった。
当時アニメで描かれたハムエッグがとても美味しそうだったのか、
あるいは「週に一度だけのハムエッグ」というその特別感に
どきどきさせるものがあったのか、今となってははっきりとはわからないけれど、
今でもハムを食べるときに時々このエピソードが思い出されるほど、このエピソードは
色鮮やかに心に刻まれている。
今やハムが高級なものだ、という意識はあまりないかもしれないが、
ポリアンナの世界では、ハムはとても贅沢品だったのだ。
                  *
こういうようなことを思い出しながらハムかつを食べていると、
ハムかつも、かつての日本ではきっと贅沢品だったのだろうなと思う。
何気ない食べ物だけれど、今でもわたしにとってどこか特別感のあるハムかつ。
きっとわたしの父も、ハムかつが好きだったのだろうと、
今になって思う。

最後の手縫い

バッグ作りのプロセスのなかで最も好きな瞬間は、
もしかすると最後の手縫いのときかもしれない。
複数の生地を組み合わせながら、バッグのアイデアを練るのも、
水通しした生地にアイロンをあて、型を切り出すのも、
全体の大きな形を作っていったり、際を縫いあげてぴしと仕上げたり…というように
ミシンを使ってぎりぎりの感覚で縫っていくのも、
それぞれにとても好きなのだけれど、
手縫いは手縫いで、独特の魅力がある。
ミシンよりはゆったりとしたペースで、手で直接縫うという意味でより身体的な作業で、
たんたんと、特に何を考えるわけでもなくひと針ひと針進めていくのには、
どこか瞑想的な感じもある。
出来上がりの一歩手前ということもあって、
これで一つの形になる、という喜びや、
どんな人が使ってくれるのだろう…というような想いがあり、
そしてまた、純粋に生地の質感や風合いを味わったり、
バッグが実際に使われている風景を想像したりして、楽しんでいる。
よく考えると、このバッグたちは、わたしの手を離れてから、
いろいろな人のもとで生き始めるのだな、と思う。
もしかすると、その人たちの生活の中に入って初めて出てくる「表情」というのも、
それぞれのバッグにあるかもしれない。
バッグを実際に使ってくれる人がいて、実際に使われて、
そしてそのことのなかで、そのバッグが一番魅力的であるような、
そんなバッグを作りたい。
最後の手縫いをしながら、
ぼんやりと、
いろいろのことを想う時間。