制作のこと」カテゴリーアーカイブ

つかず離れず

今日は久しぶりにまとまった時間を作ることができたので、

新しく仕入れたいいろいろな布を

組み合わせたり、どんな形がいいか思案したりして

これまでにだいたいのイメージをゆっくり膨らませていたものを、

型に切り出すところまでの作業を…。

何か作る時は、たいてい一気には作らずに、

少し時間を置いて「ねかせる」ようにしています。

これは何かものを作るときだけでなく、書くときもそうなのだけれど、

自分自身がその作業過程のなかにすっぽりと入り込んでしまうと、

ふつうは見えることも見えなくなってきたりすることが多いから…。

いったんそこから身を引き離して、

少し距離を置いてまた見てみる・考えてみる

ということはとても大切なことであるような気がします。

わたしの好きなことばの一つに、

「つかず離れず」というのがあります。

わたしはこのことばを、ぴったりくっついてしまって

「客観的に」見ることができないような関係でもなく、

かといって、全くそこから離れてしまってそれとは関わらない、

というわけでもない、そんな「絶妙」な、

ものごととのかかわり方を表すことばだと思っています。

日常抱えている様々なことでばたばたしていると、

それぞれのことと向き合うことでいっぱいいっぱいになって

毎日ばたんきゅーと布団につっぷして眠ってしまいますが、

たまにその日常のルーティーンから抜け出してみることで

ものごとを、日常を違った目で眺めたりすることができたりして…。

いろいろな次元での「つかず離れず」のリズムがありそうですが、

こういったリズムがあるからこそ

同じ一つのことともずっと「新鮮」に関わることができるのだろうな。

ハンドメイド布バッグ屋 ::: shiroi mokuren の庭  :::

アンティークレースを使うことの魅力

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アンティークレースを使って何かを制作するということの魅力…。

それは、かつて洋服の一部として、

あるいは他の何かのパーツとして使われていたものが、

そのもの自体は古くなって使えなくなっても、

一緒にぽいっと捨てられてしまうのではなく、

大切に取り外されて、他の人の手に渡り、

そしてまた少し手を加えられて、新しく生まれ変わって使われる、

というところにあるのではないかと思います。

アンティークレースを手にとると、

長い時を経ていることもあり、多少の傷みがあったり、

汚れのついているものもありますが、

少し手を入れるだけで、使えるようになるものも少なくありません。

ヨーロッパの古いアンティークのレースの中には

手で編まれたものも多く、見ているだけでも本当に美しい!

本当によいもの・美しいものというのは、

時代を経ても決して色褪せることはなく、

むしろその味わい、そして存在感を増していくのだと実感します。

それに加えて、私がアンティークのレースを用いて

バッグを制作するなかで、もう一つ魅力的に感じているのは、

同じレースであっても、それが別の形で取り入れられると、

本当に「生まれ変わった」ように、まったく新しい顔を見せる、

ということ。

「同じもの」なのに、たとえば、どの布に、どのように使うかによって、

全く「違った物」であるかのような印象を受けます。

このような「魔法」(あるいは「トリック」?)に魅せられて、

私はバッグ作りを、している/させられている(いい意味で!)

のだと思っています。

アンティークレースの全部は使えなくても部分的に使える部分は、

極力使って、違う形で生かせるように……。

そのような思いで、日々制作しています。

わたしのアイボウ

shiroi mokuren
小学生や中学生の頃、家庭科で、ミシンを使って何かを作ったことはありましたが、その頃は裁縫がそれほど好きでもなく、むしろ苦手だと思っていた…このような私が、今こうして、ほとんど毎日のように布を手にし、ミシンをまわすようになるとは…!
本当に当時の私からしてみれば、全く想像もできないことでした。
なぜバッグを作ってみようと思ったのか…。今となっては、そういう流れだったのだ、と言うしかないと思うほど
私の一部になってしまっていますが、最初にあったのは、やはり「なかなか思うようなバッグに出会わない…」ということだったと思います。「じゃあ作ってみよ!」ということで、始めたお裁縫。
裁縫道具らしきものは、ほとんど持ち合わせていなかったので、まずはそこから始まりました。とりあえず必要なものを買いそろえ・・・・。とはいっても、幸いにして、古道具としてもう使われなくなった年季の入った
裁縫箱を譲っていただいたり、この歳になるとミシンを使うよりも手編みや手縫いの作業の方がよくなった、という祖母からミシンを譲ってもらったりしたので、必要なのは、こまごまとした諸々の物ですみました。
これは本当に有難いことでした。
単に経済的に、ということだけでなく、これまで使われていて、もう使われなくなったものを使わせてもらえる、ということの幸せ…!


譲っていただいた古いレトロな裁縫箱はかなり使いこまれており、ねじも緩んだり、はずれかかっていたり、すでに取り替えられているものもあったのですが、緩んでいるところを締め直し、汚れをふき取って磨き……、そうして「私の相棒」となりました。
ミシンは、祖母にとっては何代目かのミシンで、ほとんど使われていない状態で譲ってもらったので手入れは不要でしたが、たとえ少しの間であっても祖母の使っていたミシン、そして眠ってしまっていたミシンが、今度は「私の相棒」となって、私が引き継いで使う、というそのことがとても嬉しくて!
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ずっと縁のないもののように思えていたお裁縫。
この年になって、なんでも自分で作ってしまう器用な裁縫好きの祖母の血が出てきたのか、何なのか…よくわかりませんが、このような流れができたことを、とても嬉しく思っています。
これから、少しずついろいろのことを書いてみたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。