地震のこと

3月11日、地震が起こった時、私は大阪にいた。
私自身、それほど大きな揺れは感じなかったけれど、
関西でも場所によってはふわりふわりゆらりゆらりと、
大きな揺れがあったようだった。
帰宅後、テレビで信じられない光景を目にした。
言葉が出なかった。
私がまだ中学生で大阪に住んでいた時に起こった
阪神大震災の時の恐怖を思い出す。
明け方の突き上げるような大きな揺れ。
はっとしてベッドの上に起き上がって
様子を見ることしかできなかったこと、
少し揺れがおさまってから
階下にいる両親のもとに大急ぎで行ったこと、
父が大きな本棚の置いてある部屋に寝る
弟の様子を見に飛んでいったこと…
たったこれだけの経験でも、
私のなかでは生涯忘れることのできないこととして
心に刻まれている。
被災地の方々の心の痛みはいかばかりかと思うと、
本当に胸が締め付けられるような気持ちになる。
私たち人間も自然の一部なのだと思う。
ときどき自然は、私たちの忘れかけた頃に、
その大きな存在の一端を垣間見せる。
私たちは起こったその状況を受け入れるしかない。
そしてそこからできる限りのことをやっていくしかない。
「しかない」というと消極的・受動的に
聞こえるかもしれないが、
別の言い方をするならば、人間はその状況を受け入れる
「力」を持っている、ということなのだと思う。
時間はかかるかもしれないけれど、
その状況を力に変えて、みんなで支えあいながら
そこからまた一歩一歩歩んでいくことができると、
強く信じている。
私も私自身にできる限りのことをやることから、
始めたいと思う。
被災された方々が、一日も早く安心して
毎日を送ることができるようになりますように。
亡くなられた方々が、どうか心安らかでありますように。
心よりお祈り申し上げます。