出会ったもの・こと」カテゴリーアーカイブ

初春・文楽

2016-01-08 15.30

昨日は、大阪の日本橋にある国立文楽劇場に文楽を観に。
文楽を観るのは数年ぶりだったので、年末からとても楽しみにしていました。

演目は、新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)/関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)/釣女(つりおんな)の三本立て。
目当ては、お染め久松の物語である新版歌祭文だったのですが、どれも面白いものでした。

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文楽は、何といっても人形に表情のあるのが魅力的です。
人形だから基本的には顔の表情は変わらないはずなのに(一部の人形では目や眉が動くようになっているものもありますが…)、三人の人形遣いによる人形の身のこなしや、一つ一つのしぐさ、細やかな手の動き、そして太夫による語り、三味線の音などによって、実に複雑で多様で、繊細な心の動きがそこに生まれ、それぞれの人形が本当に生きて動いているような、そんなふうに見えてくるところが面白く、何度行っても魅了されます。

人形の動きでいうと、キセルを吸ったり、お灸を据えたり、針に糸を通して縫い物をしたり、髪を櫛でとかしたり、お化粧をしたり、まな板の上で野菜を切ったり…と、人形の世界のなかで、人間がやっているのと同じように、細かな動作を実際にしているのを見るのも楽しく、動きにユーモアもあって、そこがまた素敵…。

その他にも、太夫による語り(節回し、言葉遣い…)、三味線の音色、三人の人形遣いの表情や動き、舞台装置、人形の衣裳…など、見るべきものががたくさん。

今となってはもう古いと思われるようなお話もあるかもしれないけれど、そういったことを超えて、現代でも(もっというと、時代にかかわらず)心に響いてくる要素や、現代だからこそ楽しめる要素のたくさんある舞台芸術であるように思います。

 

 

 

アグネータ・フロックの世界展

美術館「えき」KYOTOで開催されている “切り絵作家 アグネータ・フロックの世界展”。
散歩の途中、貼られているポスターを見て知ったときからからずっと気になっていた展覧会で、昨日見にいってきました。

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展示されていたのは多くが切り絵作品。
切り取られた紙に着色して、それを、大きな紙に貼って作られた作品の数々…。

パンフレットで見ていた時は、切り絵というよりは水彩画のような感じだなあと思っていたのですが、実際に作品を目にすると、やはりそこには、切り絵ならではの表現とそれによって創りだされる世界がありました。

バラのジュース
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ネコのレストラン
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切り絵というと、カッターで細かく切り込みを入れて、繊細で複雑な文様や世界を切り取り、描き出す、というイメージがありましたが、彼女の作品は、切り絵自体の細やかで繊細な表現というよりは、切り絵ならではの “線” や “輪郭” を生かした表現でありながらも、全体としては “紙” 自体の持つ素朴さやぬくもりを感じさせるような、大らかな作品であるように感じます。

展覧会場で放映されていた制作動画を見て驚いたのは、切り取る際、下書きなどを一切せず、手に紙と小さなハサミを持ったかと思うと、一息にそれぞれの形を切り出していたこと。頭の中にすでに切り取られた後の形のイメージが明確にあるのだと思いますが、そのイメージのみで自由自在に様々な形を切り出していく様には目を見張るものがありました。

 

太陽とボール遊び
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特に印象的だったのは、色づかいと植物の表現。
生き物自体の持つ生命力が、溢れんばかりに描かれています。

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他にこんな面白い作品もありました。

永遠の結び目
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そして、万葉集の歌を題材した作品も。

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その他、スウェーデンの民間伝承に登場する幻の馬、ストリームホースの作品や、タペストリーなどの染織作品も展示されていました。

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アグネータ・フロックの世界展は、今月27日までです。

 

 

 

京都タワー/しなやかな子山羊革

先日、初めて京都タワーに上ってみました。

 

渉成園から見た京都タワー
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白のボディに赤が少し入っていて、特に夜などは遠くから見ると、いつもろうそくのようだなあと思います。

 

タワーの上からの京都の街。
道路がまっすぐ北に伸びているのがよくわかります。
そして、京都の街が山に囲まれているということも…。
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遠くのほうには大阪の街。
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ちょうど夕暮れ時で、夜景も見られました。
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そして…制作も少しずつ進めています。

うっとりするほど滑らかでしなやかな一枚の子山羊革から、持ち手用の革を切り出して…

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アンティークリネンに縫い付け、さらにカシメで留めて…

 

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手にやさしく、しっくり馴染む持ち手に。

 

 

 

錦秋

11月に入り、
気付けば、木々の葉も美しく色づき始めています…

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昨日は、大阪西天満にある雑貨店カナリヤさんに行ってきました。
秋草愛さんのブローチ展。

北極・南極のいきものをテーマに作られたブローチ、絵本の挿絵の原画、ポストカード、カレンダーなどが並んでいました。

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動物たちの表情や佇まいが、とても素敵に表現されています。
その質感に魅了されます…

ブローチはすでに多くが売約済みとなっていましたが、身近で見ることができてしあわせでした。
絵も立体造形もそうですが、質感やそれらの醸し出す雰囲気など、実際に見て初めて伝わってくるものがあります。
特に秋草さんの描く、様々な種類の鳥の絵とその立体造形作品がとても気になっているので、またいつか拝見できたらいいなあ…。

カナリヤさんには、他にもいろいろな作家さんの作品やハンドメイドの素材などが置かれてあり、ゆっくりと拝見してきました。
今回は、秋草さんのカレンダーとともに、この子を連れて帰りました。

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秋草愛さんのブローチ展は、11月21日までだそうです。

 

 

 

駒井家住宅

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北白川にある駒井家住宅。
先々週末、あまりのよいお天気に誘われて、初めて訪れました。

動物遺伝学、動物分類学に大きな功績を遺した、京都大学名誉教授の駒井卓博士(1886-1972)の私邸として、W.M.ヴォーリズの設計により、昭和2年(1927)に建てられたもので、金・土曜日のみ一般公開されています。

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南側のお部屋の窓をとても広くとってあり、お天気のよいこともあって、日がたくさん差し込み、室内にいてもとても暖かく、本当に居心地のよい空間でした。

私の出身高校の本館もヴォーリズの建築。
木のぬくもりと、簡素だけれどどこを切り取っても美しいデザイン…。
母校の空気を懐かしく思い出しました。

駒井家住宅では、11月1日〜12月12日の金・土曜日、終戦後、米軍の接収住宅となっていた当時の写真等の資料も公開展示されるそうです。