水の緑 フランスには、vert d’eau(水の緑)という色名があるそうです。 英語でいうと、アクアグリーン。 まさにその色名がぴったりのお色の、くったりとした風合いのリネンと、素朴な質感が魅力的なドイツ製のアンティーク・ホームスパンリネンを用いて、バッグを制作中…です。 リネン生地は、よく見ると単一の糸ではなく、微妙に色の異なる複数の糸で織られていて、まさに水面の表情を映しとったような一枚。 この生地を裏地に用いて、これらの生地の存在感を生かしたバッグに仕立てられれば…と思っています。
小さな襟の物語 可愛らしい葉や実の模様が手刺繍によって施されたアンティークの襟。 下のレースは、ひと針ひと針、手で縫い付けられています。 細やかで丁寧で、そして繊細な手仕事が生み出す、独特の存在感…。 さらにそれが”使われる”ということのなかで醸成されていく雰囲気が加わって、それは単なる”もの”であることを超えて、それを見る者、手にとった者に、ある情感を、心地よさをもたらすものに。 その心地よさは、この小さな襟から、作り手の想いやそれを使っていた人の想い、そしてそれを大切に取っておいた人の想いというものが、ひしひしと伝わってくることによってもたらされるもの…のような気がします。