月別アーカイブ: 2015年5月

水の緑

フランスには、vert d’eau(水の緑)という色名があるそうです。
英語でいうと、アクアグリーン。

まさにその色名がぴったりのお色の、くったりとした風合いのリネンと、素朴な質感が魅力的なドイツ製のアンティーク・ホームスパンリネンを用いて、バッグを制作中…です。

リネン生地は、よく見ると単一の糸ではなく、微妙に色の異なる複数の糸で織られていて、まさに水面の表情を映しとったような一枚。

この生地を裏地に用いて、これらの生地の存在感を生かしたバッグに仕立てられれば…と思っています。

2015-05-20 14.03.33

 

 

 

小さな襟の物語

IMG_6390.jpg

 

可愛らしい葉や実の模様が手刺繍によって施されたアンティークの襟。
下のレースは、ひと針ひと針、手で縫い付けられています。

細やかで丁寧で、そして繊細な手仕事が生み出す、独特の存在感…。
さらにそれが”使われる”ということのなかで醸成されていく雰囲気が加わって、それは単なる”もの”であることを超えて、それを見る者、手にとった者に、ある情感を、心地よさをもたらすものに。

その心地よさは、この小さな襟から、作り手の想いやそれを使っていた人の想い、そしてそれを大切に取っておいた人の想いというものが、ひしひしと伝わってくることによってもたらされるもの…のような気がします。

 

IMG_6392.jpg