アンティークレースを使って何かを制作するということの魅力…。
それは、かつて洋服の一部として、
あるいは他の何かのパーツとして使われていたものが、
そのもの自体は古くなって使えなくなっても、
一緒にぽいっと捨てられてしまうのではなく、
大切に取り外されて、他の人の手に渡り、
そしてまた少し手を加えられて、新しく生まれ変わって使われる、
というところにあるのではないかと思います。
アンティークレースを手にとると、
長い時を経ていることもあり、多少の傷みがあったり、
汚れのついているものもありますが、
少し手を入れるだけで、使えるようになるものも少なくありません。
ヨーロッパの古いアンティークのレースの中には
手で編まれたものも多く、見ているだけでも本当に美しい!
本当によいもの・美しいものというのは、
時代を経ても決して色褪せることはなく、
むしろその味わい、そして存在感を増していくのだと実感します。
それに加えて、私がアンティークのレースを用いて
バッグを制作するなかで、もう一つ魅力的に感じているのは、
同じレースであっても、それが別の形で取り入れられると、
本当に「生まれ変わった」ように、まったく新しい顔を見せる、
ということ。
「同じもの」なのに、たとえば、どの布に、どのように使うかによって、
全く「違った物」であるかのような印象を受けます。
このような「魔法」(あるいは「トリック」?)に魅せられて、
私はバッグ作りを、している/させられている(いい意味で!)
のだと思っています。
アンティークレースの全部は使えなくても部分的に使える部分は、
極力使って、違う形で生かせるように……。
そのような思いで、日々制作しています。