秋の東大寺

11月3日
普段は入ることのできない正倉院の敷地内に、3日間限定で入れると聞いて、東大寺へ。

秋の日差しの中、気持ちよさそうな鹿たち。

少しずつ紅葉も始まっていました。

 

いよいよ、正倉院の敷地の中へ。

こんなに間近に見られるなんて…
校倉造りの、木が組まれている様子や、全体の大きさが、体感的によくわかりました。

見ている途中に雨が降ったりもしたけれど、出てくると雨上がりの日差し。

上の写真の左の木は、おかっぱ桜と呼ばれています。
鹿が食べるために、自然におかっぱ型にカットされたようになっている桜。
よく見ると、その辺り一帯の木の下のラインが、鹿の食べられる高さに全部そろっていました。

 

 

 

秋夕映

昼間は暑くも寒くもなく、外にいるのが気持ちのよい季節。
この時期ならではの、澄み渡る感じを味わっています。

 

庭の金木犀も。

平城宮跡の金木犀も。

みんな一斉に香っています。

 

 

こちらは、オーダーをいただいて作ったお人形。
過去の作品をご覧くださり、それと似た雰囲気で、とご依頼いただきました。

前回は、ピンク〜パープル系のお色でまとめていたのですが、今回は、ブルーの小花柄のワンピースに、カットワークレースのエプロンを身につけた女の子。

ワンピースのお袖やスカート、それにエプロンにも、ギャザーをたっぷり入れて、ふんわり、やわらかな雰囲気に仕上げました。

三つ編みを、サイドでアップにしたヘアスタイル。

●サイズ(L)

頭の先から足までで 約46cm
座らせると 約20cm

 

現在、冬のお人形も制作中です。
でき上がりましたら、またご紹介しますね。
いつも見てくださって、ありがとうございます。

 

 

 

冬に向けて…大きなキルト

庭の金木犀のつぼみが大きくなり、色づいてきました。

咲くのが待ち遠しい…です。

秋明菊も、白の一重と、ピンクの八重が咲きました。

どちらも母の庭から分けてもらったもの。
ピンクの八重のは、植えてから初めて咲いたので、見ることができてとてもうれしい…。
秋明菊が咲くと、秋を感じます。

 

さて…今年に入ってから少しずつ作っていた大きなキルト。
実用的なキルトを一度作ってみたくて、膝掛けを。
1mを少し超える大きさ。
すべて手縫いで仕上げました。

中に少し厚めのキルト綿を挟んだので暖かいです。
本格的に寒くなる前に完成させることができて、ほっ。
冬の間、使おうと思います。

 

 

 

秋の庭

平城宮跡はオギの穂が出て、すっかり秋の風景に。
今年は10月になっても日中の気温の高い日が多いからか、金木犀はまだ咲いていないようです。

 

庭にも秋の花。

ホトトギス

ワレモコウ

フジバカマ

秋の花に混じって、本来は夏に咲くはずのホテイアオイも10月になって初めて咲きました。

 

今月に入ってからは、せっせと種まきも。
お花は、ゼニアオイ(コモンマロウ)、ペインテッドセージ、矢車菊、カモミール。

ペインテッドセージと矢車菊は、自家採取した種を蒔きました。
こぼれ種からも芽を出してくれるかもしれないのですが、発芽しない場合に備えて、念のためポットにも種蒔きします。

矢車菊の種

野菜は、青梗菜、ブロッコリー、サニーレタス、九条太ネギ、のらぼうな、えんどう。
青梗菜とブロッコリーは初めて。
ネギ、のらぼうな、えんどうは、今年自家採取した種を蒔きました。

雨の日が多くって、さっそく発芽しています。

カモミール

青梗菜

発芽した時は、他の何にも代えがたい喜びが、いつもあります。

最近読んだ本に、次世代を作る働きは死が前提となっている、という言葉があり、その言葉がすとん、と腑に落ちるとともに、人間に限らず、庭で目にしている営みはまさにこのこと…、と強く感じました。
花咲かせ、種を残すことにすべてのエネルギーを使い、それを使い果たして、自らは枯れていく。庭で目にしているのはまさにそういうありようで、ただただそういう姿を見せてもらっているというだけで、ほんとうにありがたい気持ちになるのです。

 

 

 

曽爾高原〜宇陀・森野旧薬園へ

10月3日
宇陀郡曽爾村にある曽爾高原と、宇陀市大宇陀にある森野旧薬園へ。

曽爾高原はすすきで有名な高原。
5年前にも一度訪れたことがあったのですが、母が一度行ってみたいということで、今回は父母と一緒に。

この日は午後から雨の予報。
曇り空で涼しく、人も少なく、切り立った断崖絶壁の多く見られるこの場所独特の地形と、そこからの風景を、存分に楽しめました。

馬の背のように見えるこの山の向こう側は三重県で、奈良と三重の県境になっています。

かつて、曽爾高原のすすきは、村の民家の屋根の材料にも使われたそう。
現在は、春に山焼きを行い、すすき以外の植物の生育を抑える形で、このすすきの草原の景観を保護しているのだそうです。

 

午後からは、大宇陀にある森野旧薬園へ。

森野家は、代々吉野葛の製造に携わる家でしたが、第11代の森野通貞(藤助)(1690-1767)は、薬草木を愛好し、屋敷内にこれを栽培。
そのことが幕府にも聞こえ、幕府採薬使とともに近畿北陸の薬草を採取したり、幕府より中国産の薬草を下付されたりし、それらを植え付けたことから1729年に当時唯一の私園として、森野薬園が開設されたそうです。
現在も、江戸時代の面影を残す希少な薬園ということで史跡に指定されています。

中に入ると、吉野葛製造の際に使われる旧桶がありました。(現在は別のタンクで製造されているそうです。)

葛の根。

奥の階段から旧薬園へ。

階段を上がっていきます。

階段から見る宇陀の街。

うちの庭にもあるゼニアオイやワレモコウにも薬効があるとは、初めて知りました。

幕府下付6種類の薬草木。

幕府下付のサンシュユ。

展示室には、植物学者の牧野富太郎さんが訪れたという記録も。

森野旧薬園は、これまで映像で見てその存在を知っていたのですが、今回初めて訪れ、その土地の空気や風を感じることができ、感激でした。
山野草にはほとんど薬効があるのかと思うほど、うちの庭にも育つ植物が薬草として植えられていて、とても興味深く、感じることがたくさん…。

帰りに寄った道の駅では、なんと大和当帰の苗が。
あまりにうれしく、一苗購入し、帰宅後にさっそく植え付けました。

とてもうれしい出会いに恵まれた、よい一日でした。
ありがとうございました。