この美しい刺繍の施されたレース…
何の模様に見えますか?
わたしはぱっとみて、「白い木蓮のつぼみみたい!」と。(笑)
咲いている花ではなくて、つぼみ というところが気に入っています。
素材は絹ではないそうですが、光沢があってとってもつややか。
19世紀のレースだとか…。
以前は何に使われていたのでしょうか…!
想像が広がります。
今日、2月8日は「針供養」の日。
永年休まずに使ってきた針をその日に限って休ませ、
折れた古針を供養する行事で、
女性に縁の深い淡島神社で行われるのだそうです。
地域によって、2月8日に行うところと、12月8日に行うところ、
その両日に行うところがあるようです。
普段は硬いものばかり刺している、というので、
古針を、豆腐や蒟蒻、餅などやわらかいものに刺して、
神社で供養したり、川へ流したりするのだとか…。
かつて、和歌山は加太の淡嶋神社を訪れた際、
針供養の後に針が納められる
「針塚」があったことを思い出します。
毎日使う針を休め、供養する日。
その針供養の日が、2月8日、12月8日であるのは、
2月8日を事始め、12月8日を事納めとして、
それぞれ、農耕を始め、終わる日であった
ということと関連するようですが、
このように、いわば一年の「節目」にあたる日に、
日常の針仕事の手をとめて、
針を休ませる行事が営まれてきたということから、
女性にとって針仕事がいかに身近なものであったか、
そして針は、単なる「モノ」ではなく、
日常的に使う大切な仕事道具であったということがうかがえます。
毎日使っているものほど、「ありがたみ」が見えにくくなるものですが、
こういう日のあることで、日常的な連鎖をいったん断ち切って
改めて道具たちと向き合うことができるのでしょうね。
だんだんハレとケの区別が曖昧になってきている現代ですが、
こういったハレの日があるからこそ、ケが成り立っていて、
それと同時に、ケがあるからこそ、ハレがある、
というこの切っても切れない関係を思わずにはいられません。