雨の日でも気兼ねなくお使いいただけるバッグを作りたくて仕入れた、ラミネート加工のリネン地。
太めの糸で織られた、素朴な雰囲気が魅力的なこちらのリネン地を、ラミネート加工したもの。
ラミネート加工されることによって、適度なハリが出て、摩擦や水濡れに強い生地となっています。
リネンならではの美しい亜麻色を生かして、ナチュラルな雰囲気でお持ちいただけるラミネートバッグに仕上げられたら…と思っています。
少し遅くなりましたが、この夏に制作したものの一つのご紹介します。
わたしたち夫婦が長くお世話になっている70代の男性の方に、贈り物として作った鞄です。
わたしの使っているホームスパンリネンのかばんを見て、いい鞄だね、そんなののショルダーバッグがあったら欲しいなあ…と言ってくださったことがあって、でもなかなか手をつけられずにいたのですが、この夏、ようやく形にすることができました。
表地には、その時わたしの持っていたかばんと同じ、淡いベージュ系のホームスパンリネンを用い、バッグのかぶせ部分に、その方をイメージして、茶系の生地を組み合わせてあしらいました。
ポケットはファスナー付きのものと、スマートフォンを入れられる立体的な形のポケットをつけました。
あまり硬すぎない鞄がお好きな方なので、バッグ全体にキルト綿を挟み、適度な厚みとふんわり感を持たせ、バッグの底のみしっかりとした芯を入れました。
先日、無事にお渡しすることができて、ほっと一息。
お世話になっている方にバッグを作らせていただくことができて、嬉しく幸せでした。
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そして…
先週末、久しぶりに鴨川に。
思いのほか、早くやってきた秋…
静かな秋の夕暮れでした。
気がつけば…もう8月も終わり。
朝起きると、なんだか、しん、としていて、
静かだなあ……と思い、なぜだろうと考えて、
蝉の鳴き声がしないからだと気付きました。
聞こえるのはわずか数匹の鳴くつくつくぼうしの声。
夏の終わりはどこか寂しい感じもします。
この夏は、和歌山に住む祖母の家に行き、米寿のお祝いをしたり、
例年通り、お盆に法事で夫の実家へ行き、
みんなで晩ご飯を食べた後にちびっこたちと花火をしたり、
送り火を見たり、
琵琶湖に行ったり、
高校時代の友人と10年以上ぶりに再会したりしました。
私のかつてお世話になったある方が、
今年の3月に亡くなったことを知ったのも、この夏でした。
毎年同じようでも、いろいろのことが少しずつ変わっていきます…
日差しには夏の名残はあるものの、吹く風は秋の風。
季節の移り変わりを身体いっぱいに感じながら、
秋冬ものを作っていけたらいいなあと思います。