あまりにも緻密な刺繍であると、それが手刺繍なのかどうか、一見わからないことがあります。
でもよくよく見ると、その質感や繊細さは明らかに手刺繍でしか生み出されないもの…。
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先日、ご紹介させていただいたリボンポーチにあしらったこちらのアンティーク生地。
手刺繍の雰囲気…と思う反面、表側も裏側も糸の運びがあまりに正確であったので、(また、生地いっぱいに施された刺繍であることも手伝って、)どこかで “本当に手刺繍だろうか…”という気持ちをぬぐいきれずにいたのですが、先日、手元にある刺繍ものをいろいろとひっぱりだしてきて、それと見比べたりしながらじっと観察しているうち、裏面の正確な糸運びの中にも、ところどころ玉止めされている箇所などがあるのを確認して、やはり手刺繍なのだと思うに至りました。
目を見張るような美しい刺繍…。
“出来上がったもの” を見ていると、その作業過程は本当に気の遠くなるようなもののように思われますが、もしかすると、作り手にとってはその作業は、 “時間” という次元とは別のところにあるものであったかもしれませんね。